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カシッ。
通学路。黒の学ランに身を包む【彼】は、足元に転がっていた石コロを蹴って進む。
「お前、俺みてーだなー…」
カロン。
テンポの良い石の転がる音は、【少年】には心地良く聞こえた。
ドガンッ!!
「っぐぉ!?」
唐突に、何の前触れも無く少年の後頭部は衝撃に攫われた。
「痛っ…」
視界が揺れ、その場にへたり込む。
「ウハハハ!!ダッセーー!」
「やっぱ‘‘きしょうせい”は情けねーなぁ!!」
「やり過ぎだよお前~、可哀想だろ?アハハ!」
3人組の少年達は、ケラケラと笑って過ぎ去る。
俺は知ってる、この世で『可哀想』と言われる人間が最も底辺だ。
ジャ、
「待てや、この野郎…」
『?』
だが、それで黙っているヤツは心底大馬鹿者だ。
「お、な…何だ、やんのかよ?【ミョージン】。」
少年の1人が、構える。明らかに尻込みしているが、
「上等だよコラ、俺の黄金の頭叩いた事後悔させてやるよ、クソガキ共が………!!」
「「「!!」」」
‘‘ミョージン”と呼ばれた少年は、獣よろしく、3人にたった1人で襲い掛かったーー…
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