一.苦渋を舐めし一族

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カシッ。 通学路。黒の学ランに身を包む【彼】は、足元に転がっていた石コロを蹴って進む。 「お前、俺みてーだなー…」 カロン。 テンポの良い石の転がる音は、【少年】には心地良く聞こえた。 ドガンッ!! 「っぐぉ!?」 唐突に、何の前触れも無く少年の後頭部は衝撃に攫われた。 「痛っ…」 視界が揺れ、その場にへたり込む。 「ウハハハ!!ダッセーー!」 「やっぱ‘‘きしょうせい”は情けねーなぁ!!」 「やり過ぎだよお前~、可哀想だろ?アハハ!」 3人組の少年達は、ケラケラと笑って過ぎ去る。 俺は知ってる、この世で『可哀想』と言われる人間が最も底辺だ。 ジャ、 「待てや、この野郎…」 『?』 だが、それで黙っているヤツは心底大馬鹿者だ。 「お、な…何だ、やんのかよ?【ミョージン】。」 少年の1人が、構える。明らかに尻込みしているが、 「上等だよコラ、俺の黄金の(後頭部)叩いた事後悔させてやるよ、クソガキ共が………!!」 「「「!!」」」 ‘‘ミョージン”と呼ばれた少年は、獣よろしく、3人にたった1人で襲い掛かったーー…
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