第2章 どうしてこうなった!?

2/28
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/176ページ
「えー、……であるからして……。皆さんの入学を心からお祝い申し上げます」 永遠と述べられる呪文のような長文を聞かされて何十分経っただろうか。 自分の役割を終えて壇上から降りていく白髪の男性の姿をぼんやりと眺める。 この形式的な儀式を迎えるのは3度目になるが、いい加減文量を減らしてくれませんかね。 突っ立ったまま聞かされる従順な我々生徒の身にもなってもらいたいものだ。 学校の長である校長先生からの有り難い言葉は入学式の冒頭部分、新入生が式場である体育館に入場して整然と並べられた椅子に着席した直後に、再び立たされる格好で賜ることになる。 もちろん在校生もこの苦行の道ずれになることは言うまでもない。 小学校、中学校の義務教育過程を得て、呪文の方も幾分レベルアップしているようだった。 指南書のような物が全国の学校に支給されていて、習得すると校長先生になれるというのであろうか。 だとすると、校長は師範代クラスのエリートと呼ぶべきなのかもしれない。 心がこもっているのだろうと理解しつつも、悪態をつきたくなる校長の祝辞を頂いたあとに、来賓からの祝辞や新入生代表挨拶などを経て、無事に入学式は終了した。
/176ページ

最初のコメントを投稿しよう!