第2章 どうしてこうなった!?

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「…………」 その凛とした美しさに見とれて声も出せないでいると、足のスネを思いっきり蹴られた。 「いった!!」 苦痛に顔を歪め、スネをさすりながら前に向き直ると、頬を思いっきり膨らませた楓の顔が出迎えてくれた。 「なんで蹴るんだよ!」 「別に、たまたま足が当たっただけだもん」 その拗ねたような言い方に、頭にひらめくものがあった。 先ほど俺を虚仮にしたことへの仕返しに持って来いのこの状況。 絶対にこの和風美少女と仲良くなってやる。 何事もなかったかのように、隣に立つ美少女に顔を向けてから尋ねる。 「どうかしたの?」 この返しで合っているのかは分からないが、間違いではないはずだ。 女の子と話した事なんてほとんど無いんだから、良い文句が浮かばないのもしょうがない。 「実は、相談があるんだけど」 俺の心配をよそに、話は良い方向へ向かっていきそうである。 「どの部活に入るかもう決めた?」 「いや、まだだけど」 「天文部に入らない?」 「天文部?」 なぜ天文部なのか、この時は深く考えずに返事をしていた。 「……うん、別に良いけど」 そう答えるや否や、別の角度からも肯定の返事が返ってきた。 「私も入る!」 「よろしくね、2人とも!」 お前もかっ!という突っ込みを入れる前に話が進んでしまい、その素早い切り返しに驚かされたが、まぁ良いかと流す事にする。 なんだかんだで楓がいた方が楽しいに決まってるからな。 良かった、と胸を撫で下ろす女の子に、ふと気になっていた事を聞く。 「そういえば、君の名前は?」 「あぁ、そうね。まだ言ってなかった。ごめんね」 少し背筋を伸ばし姿勢を良くしてから言い直そうとする姿に、見上げる形で少女を見ていた俺は視線のやり場に困ってしまった。 控えめだと思っていた双丘が間近で強調され、その存在を主張し始めたのだ。 思わず見入ってしまう自分が情けない。 それに気づいたのか、横の方から鋭い視線が突き刺さる。 これはどう考えても不可抗力だろう? どこを見ようか逡巡していると、そんなことお構いなしに、その透明な声で告げられた。 「私は、赤音鈴(あかね りん)。2年生で天文部に入ってるの」 俺と楓は顔を見合わせてしまった。 …………先輩だったのね。
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