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「ひゃっほーいっ!」
テンションマックスの人間らしい行為そのものが楓によって実践された瞬間だった。
……やると思ったよ。
さっそくソファにダイブするという失礼極まりない行為を阻止できなかった自分に頭を抱える。
いや分かるけどな、その気持ち。
気分が高まっていることは否定しないが、その振る舞いは如何なものだろうか。
ばふっ、とソファに倒れている楓に代わり、すぐさま先輩に謝る。
「すみません、楓はいつもあんな調子で。良くも悪くも素直なやつなんです」
予想に反して、先輩は怒るような素振りは一切見せず、むしろ嬉しそうに答えた。
「やっぱり元気な子は良いわね。見ていて楽しい気分になれるもの」
「そう言っていただけると助かります」
優しい先輩で良かったと心の底から思った。
初っ端から険悪なムードとかになったら最悪だもんな。
しかも俺じゃなくて楓のせいとか遣る瀬無いだろ。
「ふふっ、なんか保護者みたいな言い方ね」
「まあ、そんなもんですよ」
いえ、兄みたいなものですと言いたかったが、先輩に引かれることは避けたかったので無難に肯定しておくことにした。
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