魔法使いのかくしごと

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 「…苦味はちょっぴりありますけどおいしいです。その珍しい野菜というのは、どんなものですか?」  「瓜の仲間だと聞いたわ。名前は忘れたけれど」  二人は世間話などをしながら朝食を食べ始めた。  だがハンナは、ミランダにじっと見つめられていることに気づいた。  「…先生、わたしの顔に何かついてますか?」  「ハンナ。あなたがわたしに弟子入りして、そろそろ1年になるわね」  感慨深げに語り出すミランダ。  「初対面の12歳の女の子が突然、『魔法使いになりたいんです!』って弟子入り志願してきたから、ずいぶんと驚いたわ」  「………………」  「ねぇ、ハンナ。この1年でいくつ魔法を覚えた?」  「…4つです。“復元”、“火花”、“つむじ風”と“縮小”」  「“拡大”はまだなのね。大きくする魔法は苦手?」  「………………」  ハンナはうつむいて答えない。  「……しょうがない子ね」  ミランダはひとつため息をつくと、残っていたジュースを飲み干して立ち上がった。  「魔法薬の材料調達に行ってくるわ。お昼には戻るから」
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