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その日は最悪な朝だった。 毎朝見ている占いでは最下位だと告げられ、そのせいなのか始業式では事前に何度も練習していた台詞を噛んだ。 他にも新しいクラスに行くとジロジロと不躾な視線を向けられ不愉快な思いをし、極め付けは生徒会室に筆箱を忘れてきた。 もう何もかもが嫌になった。 今日はもう何もしないで居るのが1番だと机に伏せようした時、 「筆箱忘れた?ならこれ、よかったら」と隣の席の奴にシャーペンを渡された。 「あっ、ごめん。予備の消しゴムはなかったや。んし、これ使って」 驚いて半分こにして渡された消しゴムと相手を交互に見ると、 「お疲れ様。会長でも噛むし筆箱忘れるんだな。なんか遠い存在かと勝手に思ってたけど、親近感わいたよ」と笑いかけられた。 最悪な朝から、最高の日に変わった瞬間だった。
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