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新歓準備でここ数日、直江の姿を見に行けず、写真を見ることで元気を出した。 けれどようやく今日で新歓が終わり、やっと直江に会いに行けることに安堵した瞬間、生徒会室の自分のデスクで寝てしまった。 大きな欠伸をして、身体をデスクから起き上がらせると、何かが床に落ちた。 目をこすりながら落ちたものを見ると、それは俺のブレザーだった。 起き上って落ちたということは誰かが俺に掛けてくれてたんだな。と、その心遣いに胸が温かくなった。 「あっ、会長ー。おはよー、よく寝てたねぇ」 「ああ……。お前がこれ掛けてくれたのか?」 声のした方に顔を向けると、会計の西宮(にしみや)が新歓の報告書を書いていた。 どうやらまだ他の奴等は帰ってきてないようで、西宮に『これ』と言って、床に落ちたブレザーを拾い上げて見せると首を傾げられた。 「いんや。俺が戻って来た時には会長グッスリ寝てて、ブレザーも会長の上に掛かってたよー」 「……そうか。じゃあこれは一体誰が?」 「んー?でも生徒会の誰でもないよー、会長の次に俺が戻ってきたわけだしー」 基本的に生徒会室には、生徒会のメンバーしか入ることができない。 だから生徒会のメンバーの誰かかと思ったが、西宮は違うと言い、他の生徒会メンバーは未だ会場で片付けをしていると言われた。
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