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食券を買って席に着くのを見届けてから、俺は自分のおぼんも持って近付いた。 「久し振りだな、委員長」 「おお、会長!新歓おつかれー。何?俺に何か用?」 4人掛けの席で友達2人と楽しそうに食事をする委員長に近付き、ちょうど空いていた委員長の前に腰を下ろした。 「『何か用?』じゃねぇだろ。新歓前に出す書類を今更出しても遅いだろうが」 直ぐに思い出したのか、委員長はハッとした表情を浮かべ、俺はため息をついた。 「お前結局過ぎてから出したのかよ」 「めんどくさがり屋にもほどがあんだろ」 と委員長を責め立てる友達2人の言葉に頷いていると、委員長はしごく申し訳なさそうな顔をした。 「ごめんって。でも本来の出す時期なら直江と会えなかっただろうし、今回は許してよ」 「は……?直江?会ってないが?」 突然出てきた直江という名前に驚いて思わず言葉が出ると、今度は委員長が驚いた声をあげた。 「え?直江が生徒会室に行くからってついでに書類持ってってもらったんだけど、会ってない?なんかお菓子みたいなのも持ってたけど?」 「っ!?!?」 直江が生徒会室に来た?お菓子を持って? 全身の血が引いていくのが自分でもわかった。 身体に掛けられていたブレザーと手作りのクッキー、あれはもしかして直江が俺に……?
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