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「お菓子って白い箱に入ってるやつか……?」 「?おお、確か白い箱だった」 「直江が来たのに会えなかったの?……会長ってばどんまい」 「って、会長大丈夫?」 目の前がぼんやりとしてきた。 直江が生徒会室に来てくれてたのか。 それできっと寝ている俺にブレザーをかけてくれたんだろう。 眠っていたことは残念だが、それだけなら間違いなくいつもの俺なら喜びで舞い上がっていた。 だけどデスクの上にあった白い箱に入っていた手作りの丸いクッキー。 もしかしたらあれは直江の手作りだったのかもしれない。 「え?会長、もしかして泣いてる?」 「……」 「直江からお菓子もらえたのが嬉しくて泣いてんの?」 「……会長、本当に大丈夫?」 食べれてない…… 直江の手作りクッキーは全部、西宮に渡した。 だから俺は一口も食べてない。 西宮は美味しいと言い、「食べなくていいの?」と聞いてくれたのに、それに「いらない」と答えたのは俺だ。 「悪い……もう部屋に戻る。……書類の提出期限、これからは守れよ」 無意識に流れていた涙を袖で拭い、まだ半分以上残っていた食事を返却口へと置きにいった。 冷静を保とうとするが、ショックは計り知れず、歩くのもままにならない。
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