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寮に入ると気配は感じなくなり、会長が去ったことがわかった。 「さすがにあれはヤバいなって俺も思ってた。完璧な会長様がどこもかしこも隙だらけで、哀愁と色気を漂わせながら歩いてるせいで、体育会系の奴等も可愛い系の奴等も、どっちもムラムラしてるからな……」 「会長ってカッコイイけど、どちらかというと綺麗系だしね……」 お互い無言になり、ここのままじゃ会長の貞操が危険だと気持ちを一つにさせた。 神秘的な容姿をしている会長の弱りきった姿は、仕事で疲れているときとはまた違う心配を生徒達に抱えさせた。 睡眠や食事は取れているのか、目の下の隈は薄くなり、体型も前よりは良くなっている。 けれど憂を帯びた瞳や熱のこもったため息、青白い肌。 アンニュイな雰囲気はノンケの生徒達まで魅了させた。 「おーい、モリモリィー」 寮の奥から手を振りながらやってきた生徒に花守は軽く手を振った。 「わざわざありがとな、西宮。生徒会の仕事は大丈夫か?」 「こう見えて俺ってば真面目だから、1日ぐらいサボっても平気よー」
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