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「書類提出した時、会長に会わなかったんだってな。会長が直江に会えなくて残念がってたぞ」
それにお前が出しに行ってくれれば絶対会長に怒られないと思ってたのに……と呟く委員長を少しだけ小突いた。
「会長グッスリ寝てるみたいだったし、書類とクッキーだけ置いて直ぐに帰ったからな。ってか俺が届ければ怒られないって、他力本願にも程があんだろうが」
「いや、きっと会えてたら俺は怒られなかったな!だって直江からのクッキー、会長泣いて喜んでたし」
あの会長が泣いた?俺の作ったクッキーが嬉しくて?
驚いて委員長を凝視していると「え?待ってぇ!?」と再び西宮さんが大きな声を出した。
「もしかしてー、クッキーって白い箱に入ってたやつー?」
「?そうですよ」
西宮さんからの質問に答えると、あちゃーと言いたそうな顔を浮かべた。
「俺、ここ数日会長が変な理由わかっちゃったー」
「どういうことだよ?」
声は明るいのに一気に表情が暗くなった西宮さんに花守は尋ねた。
「直江くんが会長にあげたクッキー、俺が全部食べちゃったぁ……」
「え?」
どうやら会長は、机の上に置かれていたクッキーを親衛隊の人からの物だと勘違いし、会計である西宮さんに全部渡した。と、
「でも普通、それだけであんなに落ち込みますかね?親衛隊の人が作ったクッキーを誰かに渡してもいいのなら、俺のだって一緒だと思いますよ?そりゃ、会長に作ったクッキーを他の人に食べられるのは残念ですけど……」
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