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そう言うと3人は唖然とした顔をし、同時に首を横に振った。
「会長が変なのは絶対このことが原因だな」
「喜んで泣いてたんじゃなくて、落ち込んで泣いてたのか……そりゃそうだよな」
「せっかくの直江くんの手作りクッキーを食べちゃってごめんねぇ、会長」
混ぜて捏ねて焼いただけの簡単すぎるクッキーに、会長をあそこまで落ち込ませる力があるなんて正直信じられない。
だけど3人が嘘付いてるようには見えないので、きっとそうなんだろう。
そこまで好かれているとは…
席が隣なだけだし、せいぜい友達になりたいと思われてるぐらいだと思っていた。
「それなら、またクッキー作ればいいんじゃないですかね?多分部屋に戻れば材料あると思いますし」
委員長と花守は勢いよく首を縦に振り、西宮さんに至っては食い気味に「そうしてあげてぇ!!!!」と言ってくるので、少し後ずさってしまった。
俺の部屋へ行き、制服が汚れないようエプロンを着けると、何故か3人にパシャパシャとスマホで写真を撮られた。
「……何してんの?」
「会長に怒られた時の謝罪用に」
「会長が喜ぶかなー?って」
「会長に対して使えそうだから」
会長用だと口を揃えて言う3人に首を傾げていると、「邪魔しないようにすっから早く作り始めろ」と花守に促された。腑に落ちない。
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