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写真どころかムービーまで撮り始め、「カメラ目線で会長に一言お願いしまーす」と始終邪魔されながらも何とか作り終えた。
前回同様特別な作業を加えることもなく、出来上がったクッキーを白い箱に入れ、西宮さんに渡した。
「俺が近付くと会長逃げちゃうんで、西宮さんにお願いしてもいいですか?」
「んーいいよー。それよりも本当にありがとうね」
会長ってば教室にも行かないでぇ、ずーっと生徒会室で塞ぎ込んでたから、やっと会長に元気出して貰えるよー、と嬉しそうに笑う西宮さんに俺は待ったをかけた。
「……すいません。ついでにこれも一緒にお願いします」
その辺にあった紙とボールペンを取り出し、数秒で書き上げた紙を西宮さんに託した。
その紙を見た西宮さんは目をキラキラと輝かせ、「頼まれました!」と言って、直ぐさま部屋から飛び出して行った。
紙の内容が見えていなかった委員長と花守には、何を書いたんだとしつこく聞かれたが、特別なことは何も書いてない。
ただ率直な俺の思いをその紙に綴っただけだ。
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