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どのぐらいの間そうしていたかわからないが、「……けど、水族館なんだってさ」という声に、俯いていた顔を即座に上げた。 校舎から友達と出てきた直江は楽しそうに目尻を下げて笑い、俺の目を奪った。 やっぱりどうしようもないぐらい、俺は直江が好きだ…… 笑顔を浮かべる直江の周りには澄み切った綺麗な空気が流れており、さっきまで暗い気持ちで居た俺を明るくさせた。 少しでも長い時間直江を見ていたくて、結局寮まで見守ってしまった。 そのせいで生徒会室に戻ると、「遅いんで心配しましたよ!」と怒られた。 「あと数分遅かったら、本気で風紀に連絡するつもりでした!」 「ただ息抜きに外へ行ってただけだろうが」 「それにしても遅すぎですよ。いつもはもう少し早く帰ってくるというのに……」 「はいはい、わかったから」 お説教が長くなりそうなので、無理矢理話を終わらせ、自分のデスクへと向かった。 その途中、見た目に反して真面目である西宮の席が珍しく空席で驚いたが、まぁそんな日もあるかと気にしないことにした。
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