1503人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「ちょっとー!直江くんからのプレゼントが嬉しいからってぇ、俺の髪ぐしゃぐしゃにしないでよー」
言葉ではそう言いながらも楽しそうに笑う西宮の頭を、さらに撫でてやった。
「西宮ばっかズルくないですか!?僕達だって落ち込んでる会長のことを心配してましたよ」
「っ!?突然押さないでよ、副会長ぉー!」
「元気になったようでよかったです」
「やっぱり直江先輩関連だったんですね」
ずっと沈黙を守っていた他の連中は西宮を押し退け、俺の前へとやって来た。
気付けてなかっただけで、こんなにも想われてたのかと思わず口元が緩んだ。
「お前等もありがとうな。一人一人撫でてやるから頭出せ」
大人しく出してくる姿に、さらに頬まで緩んだ。
今までずっと自分の殻の中に篭り、『特別扱いなんて嫌だ』と周りを見ようとしてこなかったが、こんなにも想われていたとは……
落ち込んでる姿なんて恥ずかしくて、落ち込んでるのがバレないよう自分の中で消化してきたが、直江を好きになり、いつもの自分を保てなくなった。
そのボロからやっと気付くことができるなんて、思ってもいなかった。
最初のコメントを投稿しよう!