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金色が散りばめられた大きな存在感のある扉に驚くことはない。 わいてくるのは『だろうなぁ……だと思ったよ』という呆れ。 扉をこんな豪華な作りにして、誰が喜ぶんだろうか。 生徒会室の前に立ち、ふぅと息を吐いてからトントンとドアノッカーを叩いたが、しばらく待っても返事がない。 誰もいないのか?とゆっくりと扉を開けてみると、中も扉同様、無駄に豪華な作りだった。 生徒会室は1クラス30人入る教室よりも大きく、仕事をする机だけでなく、ソファーやテレビなども備えられていた。 そろりそろりとなるべく足音を立てずに中へ入ると、1番奥の席に誰かが机にうつ伏せになっているのが見えた。 近付いてみるとそれは会長だった。 小さく寝息を立て、いつも俺を見るその目が今日は閉じられていた。 起こさないよう軽く会長の目元を摩ってみると、指には粉が付いた。 無理してまで俺をストーカーしないで、仕事以外の時間は食事や睡眠に回してくれればいいのに。 委員長に渡された書類を適当な場所へと置き、自分の持ってきた手作りのクッキーを会長の目の前に置いた。 大したものじゃないのが申し訳ないが、仕事が忙しくてあまり食事がとれていない会長でも、これならきっと仕事中でも食べられると思い、作ってみた。 近くのソファーに無造作に置かれていたブレザーを手に取り、それをそっと会長の身体にかけた。 「お疲れ様です。ストーカーさん」 グッスリと眠っているのを確認し、会長を起こさないよう、ゆっくりと生徒会室から退室した。
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