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僕は初恋をしてしまった。
相手は同じ大学の子。
名前は真夏。
身長は、150cm程で、小柄。
クリクリとした大きな瞳。黒く艶やかな髪は、腰付近まで真っ直ぐに伸びている。
僕は、まだ話した事も無い。
でも、彼女に心を奪われていた。
彼女と僕は、毎週木曜4限の講義を受けている。
15時から、16時30分までの1時間30分が、僕らを繋ぐ唯一の接点だ。
いつも彼女は、誰より先に教室に来て熱心に教科書を読んでいた。英米文学だ。
彼女の指定席は、決まって一番前の右端。
僕にとっては退屈極まりない、英米文学の授業だったが、彼女と一緒にいられるその時間が何よりも幸せな時間だった。
僕は、彼女の近くに座り、その姿に見惚れていた。
さあ、今日は木曜日。
もうすぐ、4限のチャイムがなる20分前。
今日も彼女は、いつもの席に座っている。
教室には、彼女と僕しかいない。
僕は、勇気を持って話しかけた。
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