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「俺なんか、透だぞ?
透明。シースルー。」
俺がそう言うと、ユキは、笑った。
「そうでしたっ。」
可笑しそうに笑うユキ。
その笑顔に、ガラにもなく、きゅん。となる。
「ユキ、は…」
そっと、ユキの頬に触れた。
やわらかで、すべすべの白い肌。
まるで、まだ何色にも染まっていない、
純粋無垢な赤ちゃんのような。
「ユキは、真っ白なのがいいんだよ。」
照れ隠しに、ユキの猫っ毛のやわらかな髪を、わしゃわしゃと撫で回す。
「…んもぅ。」
怒ったように髪を整えながらも、
ユキは、どこか嬉しそうだった。
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