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ユキは、
しんしんと降り積もる雪の中に、
眠っていた。
付き合って初めての誕生日に俺がプレゼントした、淡いピンクの手袋をはめて
その次の年の誕生日にプレゼントした、真っ白なコートを着たまま
真っ白な雪の中に、いた。
着衣の乱れもなく
手荷物から失くなった物もなく、
遺書もない。
靴も履いたまま。
凍った雪で足を滑らせたと思われる、
転落事故…だった。
ユキは、あまりにも突然
雪のように、消えた。
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