第四回【Rの根】

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その先に黒髪の麗しい、冷たい美貌の青年が居る。 「取り込み中、失礼する」 「えっと、どちら様……」 「アンタ馬鹿ですかオーラでわかるでしょうが」 ジークがうっかり問いかける王子を叱り 「きゃああ、子宮に響くエロボイス、竜族の噂のあれなのね!ここまで美形だと一瞬で孕ませ……」 「黙れ痴女、我が国の品位が誤解される」 ベルの口を塞ぐ。 黒衣の美声、いや美青年が眉をひそめる。 「こちらの女性は具合が悪いのですか」 「頭以外は大丈夫です。ところで竜伯はなぜこちらに」 「先ほど王にも言ったのだが嫁取りではない。私の妹がこのあたりに落ちて、い る は ずな の だ が」 明らかに空気の凍りそうな声である。 「王太子殿下とお見受けしたが、妹を知らぬか?」 突きつけられる剣。 よりも鋭い声と目。 「待ってください、仮にも王太子が初対面の女性を私室に入れるなどそんな」 ジークが間に入る。 「あ、はは、それがジツハ」 「連れ込んだのかよ!」 扉の陰から、黒髪の少女が現れた 「兄様……」 「メイリン!!」 そのまま竜族の言語で二人は話し合ったようだ。 「殿下、あなたという人は……」 「どうしようオレ殺されたらどうしよう」 竜伯がため息をついた。 「王太子、妹が嫁ぎたいと」
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