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その先に黒髪の麗しい、冷たい美貌の青年が居る。
「取り込み中、失礼する」
「えっと、どちら様……」
「アンタ馬鹿ですかオーラでわかるでしょうが」
ジークがうっかり問いかける王子を叱り
「きゃああ、子宮に響くエロボイス、竜族の噂のあれなのね!ここまで美形だと一瞬で孕ませ……」
「黙れ痴女、我が国の品位が誤解される」
ベルの口を塞ぐ。
黒衣の美声、いや美青年が眉をひそめる。
「こちらの女性は具合が悪いのですか」
「頭以外は大丈夫です。ところで竜伯はなぜこちらに」
「先ほど王にも言ったのだが嫁取りではない。私の妹がこのあたりに落ちて、い る は ずな の だ が」
明らかに空気の凍りそうな声である。
「王太子殿下とお見受けしたが、妹を知らぬか?」
突きつけられる剣。
よりも鋭い声と目。
「待ってください、仮にも王太子が初対面の女性を私室に入れるなどそんな」
ジークが間に入る。
「あ、はは、それがジツハ」
「連れ込んだのかよ!」
扉の陰から、黒髪の少女が現れた
「兄様……」
「メイリン!!」
そのまま竜族の言語で二人は話し合ったようだ。
「殿下、あなたという人は……」
「どうしようオレ殺されたらどうしよう」
竜伯がため息をついた。
「王太子、妹が嫁ぎたいと」
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