1章 ありふれたこと

4/20
前へ
/20ページ
次へ
「んんっと、特にないよ。 私は、もう少し、やっとくかな… 今、すごくキリが悪いんだ… 光希、行っておいでよ。 帰って来るまでには、机、片付けておくから」 私は、そう言い終えると、視線をモニタに戻し、 他の事を考えてた間に、終わらせておく はずだった作業に集中した。 数値のチェックだけじゃなく、 言葉の不備、誤字脱字がないか…神経を集中しなきゃ。 来月に迫った、会議の資料を仕上げて、 上司の許可を取らなければならない。 「じゃあ、行って来るよ。千尋」 「うん」 私は、画面を見ながら、作業に集中していたので、 光希が出ていった姿を、見てない。 でも、大柄なわりに軽い足音は、 しっかり私の耳まで届いている。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加