7(承前)

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「ぼん、それくらいにしておかれたほうがいいんじゃありませんか」  冷ややかに制止したのは、天童家の分家筋にあたる寂矢(じゃくや)だった。魔眼(まがん)、イーブル・アイをもつ少年だ。その目はワタルよりも一段と銀色に光っている。 「かまわんやろう。逆島家とうちは敵同士じゃないんやからな。それにジャクヤの得意技を知られても、タツオくんはどうにも防ぎようがないやろ」  防ぎようがない力? タツオはその言葉を心に止めておいた。ジョージがいった。 「天童家の軍人は戦場ではどんなことをしているんですか」 「普通に士官として、現場の指揮をとってるよ。天童家にも能力の弱い者がぎょうさんおるからね」  テルが腕組みをしていった。 「そこにいるジャクヤは抜群の能力があるっていう訳か」  ワタルがジャクヤを視線の隅でとらえた。薄く笑う。 「そうや、この100年ではジャクヤが最高やろうと本家でも評判や。なあ、ジャクヤ。惜しかったなあ、本家に生まれていれば進駐軍のトップも狙えた逸材なのに」
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