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ブルッと功は身体を震わせて踵を返そうとした矢先、ギュッと沙里に手を握られてしまった。
冷たい。一気に体温を奪われていく。ガタガタと身体が勝手に震え出す。
「私のもの。あなたの心はこれで奪ったのだから」
沙里は空いている方の手に持った鋭いナイフを見せつけてきた。
ひぃっ。
「そ、それって……」
「ふふふ、あなたを殺したはずだったのに。どうしてかしらね。あの忌まわしい女が邪魔立てしなければ今頃仲良くあの世で暮らしていたというのに」
***
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