狐の森

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「…続けて、ハープ」 「いえ…私は、菜々さんとお話がしたいのです。ハープはいつでも弾けますから」 「私はいつでも聴けない。貴女のハープは、魂を安らげる力がある。だから、続けてほしい。」 菜々姫のその言葉に、鏡子の止まっていた手が動き出す。 動物達だけではなく、菜々姫までもがその音色に聞き入る。 『尻尾振り』コンコン 菜々姫は、彼女になら化かされてもいいと思っていた。 どちらにしようか だって彼女は、自分のことを真っ直ぐ見つめてくれていたから。 オキツネサマの云うとおり いや…その日常は既に幻で… 既に、化かされていたのかもしれない。
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