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タイヨウは頬杖をついたまま、俺をじっと見つめてくる。
『ねえ、ゆうちゃんはどう思う?この二人はさ、意識しあうことなく友達で終わった方が幸せだったんじゃないかな』
『はあ?それは・・・二人が考えることだろ』
『・・・そっか、それもそうか』
そういうとタイヨウはニコっといつものように無邪気に笑った。その笑顔を見て俺もホッと安心する。
『~We are friends forever~♪We are not lovers~♪』
『おおー、歌うまいんだな、タイヨウって』
『えへへ~♪って、あ!カラオケ行かない?オレ達まだ行った事ないよね?!』
『ええっいいけど・・・今から?』
『今から!』
俺を半無理やり立ち上がらせ、手を掴んだままタイヨウは走り出した。
『ちょ、ちょ、タイヨウ!手!手っ!!』
『・・・あ、そうだ』
タイヨウがおもむろに振り返り、口を開く。
『ゆうちゃん、オレ達はずっと友達だよっ』
『!』
『さあ、カラオケにれっつごー!』
『はあ・・・はいはい、わかったって・・・』
俺はため息を零した後、
わくわくと高鳴る胸を必死に抑えてタイヨウの後ろをついていくのだった。
end
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