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さてでは、ここで一旦おさらい。
まずは1週間前、私がメガネを拾ったときのこと。
私がメガネを見つけた場所は、この店の前の道。その道は細く、道の端にある電柱は歩道と車道の境の白線を踏んで立っていて、メガネはその電柱の足元にあった。
メガネを見つけたときはもうほとんどなかったけれど、電柱の足元にはもともと、歩道と車道に積もった雪を寄せることでできた雪の覆いがあり、メガネは、その覆いの雪に埋まっていた。
もしも電柱が1本あちらの道となる商店街の通りにあったのなら、メガネはもっと早くだれかの目に触れていただろう。だけど実際にメガネが埋もれていたのはこの店の前の道で、その道は細い上に日当たりも悪い。おかげで、メガネを隠す雪はなかなか融けず、ようやくメガネがあるところまで雪が融けたとき、偶然私が通りかかった。と、見つけたときの状況を思い出せば、たぶんそうだと思う。
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