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おばあちゃんの膝痛は14日の1日では治らず、そこで治るまでとの期限付きで、私は店を手伝うことになった。ただしそれは私の意思からではなく、この春から通う大学の授業料を握るお父さんからの命令で。
まあ、別にいいけどね。
おばあちゃんのことは好きだし。進路も決まってるし。学年末試験は1月末に終わって、登校日なんてもう片手の指の数もないし。バレンタインデーは、13日のカラオケついでの友チョコ交換で終わりっていう、本番の14日はフリーの彼氏なし暇女だから、家族割引ありまくりのバイト代でも、こうなったらボランティアのつもりでやってやるさ! と、若干ひねた気持ちで店を手伝うこと1週間。
初めの3日くらいは、暇ができるとメガネのことを考えていた。何であんなとこにあったのかなぁとか、持ち主見つかったのかなぁとか。これでも結構ミステリー好きだから、楽しんでそんなことを。
だけど4日目あたりからはもう段々、メガネのことは頭の中から薄らいでいって、そして7日目となった本日は、おばあちゃんが明日から復帰できると聞いて、明日はだれと何して遊ぼうかなとそればかりで、そんな私の前にその人は現れた。
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