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では、ここから霊達の見える状況で語っていきましょう。
伸びをした人物が居るのはよくある煉瓦作りの古い洋館の門扉の前、その人物の後ろを蒼白い顔の男性が走り抜ける。
言うまでもなく彼は幽霊である。生前病弱だった彼は一度でいいからおもいっきり体を動かしたいと願いながらも叶わず短い生涯を閉じた。その未練故に成仏出来ず、死後霊体にて運動(もどき)をしているのである。まあ、気がすめば勝手に成仏するでしょう。
そして主人公の肩、そこには全長五センチ程のお婆さんがいる。
『骸やい、学校は良いのか?もうすぐ始業のチャイムが鳴ると思うのじゃが?』
「えっ!?もうそんな時間なの!?…本当だ、ヤバい!!」
懐中時計を取りだし時間を確認、焦り駆け出す。
彼女、新藤骸は学生である。しかも今日は彼女の高校の入学式の日である。
そんな日にしかも通学中に徐霊なんてするなと言いたい
彼女が去った場所には腸が飛び出た猫が路上で日向ぼっこをしていた。
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