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彼女、骸は学校へ向けて全力で走る。その先には生首を脇に抱えた武者の姿がある。
『む?骸殿ではないか、相変わらず騒がしい稚児(ややこ)であるな。して、少し相談事があるのだが…』
「ゴメン、権兵衛さん今急いでいるからまた今度で!!」
そう言い、首なし武者の脇を駆け抜ける。
その際腕が首に当たり宙を舞う。
『ぬおおぉぉ!?目が回る!?』
「ごめんなさーーーい!!」
誠意の感じられない謝罪である。しかし、彼女は急いでいるのだ、死者に構っている暇はないのだ。
そのまま走ると次に地面から顔が生えている。
『うほっ、今日はし…ぶべっ』
「成仏しろ!!この変態!!」
彼は生粋の変態幽霊であり、人通りの多い通りにて体の大半を地に沈め女性のスカートの中をよく覗いていたのだが、骸は霊を触る事が出来る体質である。容赦なく顔面を踏みつけ去る。
その後、彼はそのまま成仏したと記しておく。
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