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大学でもバイトでも何でもそつなくこなして、いつも余裕な顔をしている彼がまさかこんな人だったなんて。
私より20センチくらい背が高くて大きな身体が、ビクッと反応するのは妙にかわいらしく目に映る。
さっきも駐輪場であまりに怯えた顔をしているから思わず「ウチで雨宿りする?」と言ってしまったほどだ。じゃなきゃいくら学部が同じで仲が良いからって、一人暮らしの部屋に来てもいいとは言えない。
ふたりきりで危ないかも、なんてことを心配するのも無駄なくらい、彼はそれどころではない様子だった。
「笑うなよ。誰だって苦手なもののひとつやふた」
その瞬間、彼を固めるほどの轟音が鳴ったかと思うと、部屋の電気がバチンと消えた。
「わっ」
「あっ」
思わず声が揃う。
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