相互依存

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それから少し経っても電気はつかなかった。 薄暗い中、テレビやCDの音もなく、ただ雨と雷の音が聞こえる。表情ははっきり見えなくても、隣に座る彼が雷に反応しているのが分かった。 心もとない灯りが不安を大きくし、小さな緊張は少しずつ確かに広がっていた。 私は自分に言い聞かせるように、うん、と小さく頷いてから、僅かに震える彼の手に自分の右手を伸ばした。 「愛ちゃん?」 「いや、これは、その、弟も雷が苦手でね、こうやって手を握ったらびっくりするくらい落ち着いたから。ってもう何年も前のことだけど。ごめん、何でもないから、忘れて」 彼の不審そうな言葉を受けて、手を離そうとしたら、逆の手でそれを掴まれてしまった。 「えっ」 「俺より愛ちゃんのほうが冷えてるじゃん」 こちらを見たまま穂積くんは左手でタオルケットを私に掛けようとする。
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