序 章 大罪人

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「おかしら~、お嬢がついてきてません?」 「あぁ、イルカなら何とかって魔法の国に『魔力の種』を買いに行ったよ、魔法の発展した国で魔力が一気に上がる種だとよ」  山道を体長3メートルはある大型狼に乗った男達が駆けてゆく。西の谷を拠点にして世界を荒らしている盗賊『パープルウルフ』お頭と呼ばれた男の名前はクジラ、2メートルの巨体で2メートルの大剣を振り回しどんな相手も薙ぎ倒して来た。  クジラの娘にして盗賊団のナンバー2、名前をイルカ、パープルウルフの中では唯一魔法を使いこなす事が出来る。ただ問題が‥‥。 「大丈夫ですか?案内役つけました?」 「どうだったかな?まぁ大丈夫だろ」  問題点①方向音痴、遠出をすると必ず迷子になり、帰ってこない事がある。 「俺が追いかけましょうか?さっきの戦闘でかなり魔力消費してますよね?」 「心配し過ぎだろ、お前惚れてんのか?」  問題点②運動音痴、魔法使いとしてならかなり強いがドジでどんくさい。 「違いますよ、俺は心配なだけです」 「安心しろよ、魔力尽きて後ろから殴られて気絶するなんてありえねぇよ」  魔力が尽きたらただの16才のかよわい女の子なのだ。
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