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そして
私たちは、俺たちは、
出会った。
戦火の中の生き地獄の狭間で、出会った。
『え?うそっ!』
「え!?君は…もしかして、俺が見えているの?」
『あなたは…誰?なぜ、浮いているの?』
「俺は…___だよ。」
『え…___?』
「そう。君の願いを一つだけ、叶えてあげる。だけど…俺の願いも一つだけ、叶えて欲しい。」
『願い…?私にはそんな力ないわ。』
「そんなことない。俺のことを覚えていてくれるだけでいいんだ。君が死ぬその時まで、いつもどこかで覚えておいてくれさえすれば。」
『そんな簡単なこと?それなら、できるわ。』
「ふふ。ありがとう。じゃぁ、君の願いは?」
『この現実から、遠い世界に行きたいの。平和で、苦しみのない、世界へ。』
「わかった。…なぁ。俺と一緒に行くか?そしたら俺のことも忘れないし、君もこんな辛い現実から逃れられる。」
『どこへ?』
「それは、お楽しみさ。」
『わかったわ。お願い、連れて行って。』
「俺の名前は御霊(みたま)。君の名前は?」
『レイよ。』
そして、二人は手をつないで旅立った。
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