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修三は出前を注文した家に行くのが初めてだということに気が付いているが、
そこの住所がそば屋のある市内にあるのを知らなかった。
カーナビゲーションシステムを使うことにする。
こんな住所の出前は珍しいと彼は思った。
自動車に乗り三分ほどで出前の注文先に到着する。
マンションの二階の部屋に行き、
インターフォンのスイッチを押す。
「こんにちは、
そば屋です。
出前をお持ちしました」
返事があったと思ったら声がインターフォンのスピーカーから聞こえる。
「ずっと待ってるから」
「出前をお持ちしました」
「えっ、
出前」
「今、
開けます」
ドアが開き中から男が出てきた。
詳しい年齢は分からないがたぶん三十五歳くらいだろう。
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