あの夏Ⅶ～黄昏夜伽話～

結婚しましました

ライスシャワーにフラワーシャワー。

「それっ！」

それから投げたブーケは……、

なぜか陸の手に。

「なんでアンタが取るのよ！」

「いっ、いや！　俺が聞きたいって！　なんでこっちに投げるんだよ！　ヒナ！」

「え？　ウソ！　あたしは唯の方に投げたつもりでっ」

「それでも取らないのが普通でしょ!?」

「いや！　落ちたらダメだろ!?　た、だからっ！　わ、分かった！　唯にやるから！　な？」

「要らないわよ！　どっかにお嫁にでも行ったら!?」

「そんなムチャクチャな、ほら唯、機嫌直せって！」

「要らないってば！」

「なら俺が貰っちゃおうかな？」

こんな同級生の会話に割り込んだのは新郎の親友トモだ。

「誰の嫁になるつもりだ？」

新郎である彼にそう言われトモはニコリと笑ってみせる。