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「お前の」
「……バリって重婚オッケーなわけ?」
「えー、お前、俺を妾にする気?」
「死ね」
「ヒロ君! ダメだよ! こんな日にそんな言葉使っちゃ!」
新婦であるヒナにそう言われて、さすがのヒロキも渋い顔を見せる。
「そもそもヒナがだなぁ──」
彼らの会話を聞きながら三上は「んー」と伸びをひとつ。
「やっと終わりね」
「あら、これからでしょう?」
カメラマンの赤石にそう言われ、今度は三上が苦笑い。
「彼らにとっては、ね」
「それにしてもいい天気ねぇ」
「本当に」
誰の上にも、神のご加護があります様に。
そう願いたくなるような空が視界いっぱいに広がっていた。
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