始まりの終わり

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「そうそう、連載始めた『真夜中のご馳走』が大人気よ?」  彼女は編集者で、しかもデビュー当初から面倒を見てもらっていれば、彼の扱いもお手の物。 「今までの篠原ヒロキとは違って、人情味があってほっこりする、ですって」  三上に褒められると、ヒロキとはいえど素直に嬉しくなって笑みがこぼれてしまうのは刷り込みか、条件反射か。 「俺、成長したでしょ?」 「そうねぇ、素直に褒めるには癪だけど作品の幅は広がったわね」  彼女にしては最高の誉め言葉だ。だから彼は彼らしい笑みをこぼす。
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