始まりの終わり

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「うわぁ、軽い!」  鏡越しのそんな言葉に魔法使いもにこっりだ。 「まとまりやすいようにすいたし、この長さなら手入れも出来るだろう?」  さらりと触れる髪はつやつやで、その指通りにヒナも満足そうに笑う。 「うんうん?」  頷く彼女の動きが止まるから、陸も「ん?」と聞き返す。 「どうした?」  そう聞けばさっきまで髪に触れていた手が、お腹に移動するからどきっとされられる。 「……なんか、痛い」 「ヒナぁ? もうその手にはーー」 「……痛っ」 「は!? マジで!? ちょっ、誰かっ」  慌てふためいて、誰かを呼びに行こうとすると「あ」なんて声が聞こえるから振り返る。
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