始まりの終わり

21/44
前へ
/824ページ
次へ
「父親なら、目の前にいるじゃない?」  言われても一瞬ではピンとこず、数秒後「ーーもう」と呆れるようにため息をつく。 「冗談言ってる場合じゃないし。ってか、俺、個人の番号知らないですよ?」 「あら、知ってるあたしは彼の愛人かしら?」  そんなことを言い合ってる場合じゃない。すっかりいつもの調子を取り戻したあかりに陸は考える。 「……きっと、篠原さんもびっくりしますよね?」 「そりゃあ……」 「その反応、聞きたくないなら俺がーー」 「私が電話するわ! 任しといて!」  ということで、魔法使いの力は健在である。
/824ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9285人が本棚に入れています
本棚に追加