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「タクシー来ました!」
その声に赤石がすっくと立ち上がる。
「ヒナちゃん、今は痛み遠のいたわね?」
「……はい」
それでも痛いのだが、先ほどまでじゃない。そのヒナの答えに赤石は自分の腕時計を見て「ふむ」と声をあげる。
「まだ病院に行くには早いっていわれるかもだけど初産ですもの。ひとまず病院へ直行よ」
そう言って陸に顎で指示をする。
「あ、あのっ、いや、いいんですけど、えと、俺だけ?」
ここに残されても心配過ぎて仕事なんて無理なのは重々承知だ。けれど、ついていって出来ることがあるとも思えない。
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