始まりの終わり

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「そうね、保険証は持ってるわね?」  その問いにも頷けば、赤石は「いい子」とヒナを褒めた。 「なら大丈夫よ。初産だもの、時間がかかるのよ。もしかしたら自宅まで返されるかもだからやっぱりついて行ってあげて」 「……あの、なんでそんな?」  詳しいのか? 誰もがじっと赤石を見つめる中で、「あら、言ってなかったかしら?」と説明する。 「あたしのグランマ、産婆さんだったのよ。今なら助産師かしら? 子供のころよくついていってね。だからあたしは女性に憧れたのかもね?」  うふっと笑う赤石に、誰しも納得した。
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