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「ヒロキ、どうなの?」
聞こえてきた経験者の声にホッとするのは、もしかしたら刷り込みかもしれない。
「三上さん……、あー、まだっていうか、もしかしたら帝王切開かもって……、って仕事は?」
いつもなら彼に言うセリフを取られ、彼女も苦笑いだ。
「あなたの車を松井君に回してもらったの、私はそのついでというか気になって」
「そうそう、なんだか自分の孫の気分で気になって来ちゃうのよねぇ?」
その隣にはオカマ、ではなく赤石までいたりする。
「なんで?」
そう聞きたくなるヒロキの気持ちも分からなくはない。
「あらん? お店で的確な指示を出したのはあたしよ? やっぱり気になるでしょう? 親代わりとしては」
「誰がだ?」
「で、ご両親には連絡したの?」
「……」
やはりするものらしい。それに気が付いて、ヒロキと陸は顔を見合わせた。
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