始まりの終わり

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「あらん、ヒロキのお父様なのね。あ、あたし、カメラマンの赤石というものです。そうだわ、良かったら赤ちゃん、撮らせてもらってもいいかしら?」 「おぉ! カメラマンさんまで! お世話になっております! 撮っていただけるならいくらでも―ー」 「お前ら! 勝手に決めてんじゃねぇよ!」  どうして、こんなにも人が集まってるんだろうか? 「ふーん、篠原さんのお父さんって普通なのね」 「だな。亡くなった母親が超絶美人だったとか?」 「まぁ、男の子は母親に似るって聞くしね」  カップル+魔法使いもこんな感じで、誰もがここを『病院』だということを忘れてるに違いない。  ヒナが分娩室に入って、ずっとこんな感じだから、緊張する暇も心配も、余計なことも考える暇もなくてーー。
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