群青2 モノクロ第3話

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「そうですか?」 「はい。なんか、黒いです。真っ黒です。腹黒な感じです」 眼鏡のレンズを拭く手に視線を落とし、どこか拗ねた彼女の声を聞いた。 へぇ。 と、思う。 「昼間は違う?」 「昼間の乾課長は綺麗な白です。誠実で堅実なように見えます」 なるほど、面白い考え方だ。合ってなくもない。 「だから、本当の乾課長はどっちなのかな?って」 持ち上げた眼鏡のレンズ。ようやく汚れが消えた。
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