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俺の『?』を吹き飛ばす勢いでダーッと喋る彼女の勢いに押され、顎から手を離す。
「もうやめます。結局、手は届かないと思うし。相手にもしてくれないと思うし」
彼女はこの短い間に『思う』を何回使っただろう。
全て自分の中で想像しては勝手に処理しただけだ。
自分が出した結論の都合のいい言い訳に過ぎない。
「『無理しなきゃできない恋愛ならやめた方がいい』って環ちゃんにも言われたし」
挙句の果てには、人に言われたから。だと。
「ペットじゃないんですよ。からかって遊ぶみたいな扱いされたら、誰だって」
「うるさいね」
まったく、馬鹿馬鹿しい。
「それ、不満?」
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