第1章

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ある日、地球上の生物は皆透明になった。 女性の裸を見たいという欲望を押さえ切れなかった、どこかの研究所の科学者が、生物を透明にするウィルスを作り出す。 問題はその後。 作り出した科学者が所属していた研究所の管理体制が不十分で、バイオハザードを惹起して、ウィルスが全世界に拡散。 最初、透明化によってパニックが起こったが、直ぐに収まった。 何故かと言えば、透明になった生物同士(人間を含む)が、互いを認識出来るようになったからである。 認識出来るようになった理由は、透明になった全生物の内、目が大切な相互認識器官であった生物の、目が相手を認識しようと超スピードで進化し、屈折率の細かい変化を捉える事が出来るように変わったからだ。 互いに認識(見える)といっても、ガラスや氷でできた像を見るのと同程度にしか見えないって事だが。 女性の裸が見たいとの思いから造られた透明化ウィルスは、人類の偉大な文化であるポルノ産業を衰退させるという、科学者の思惑とは逆に作用した事になる。
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