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比舎が箱の中身を確認し、
長い階段を降りた後は嘆息していた。
「あんなん僕には辛いわ。」
と、横広いお相撲さん体型の我如古が漏らす。
達磨は目配せして
指示を真栄城にきかせる。
「真栄城くん可愛いなぁ~。
彼女いるのかなぁー」
と、歳桃が言うと、
そこへ中由がくる。
「真栄城くん、かっこいいですよね」
「そうそう…………て、中チャン。どうしたの」
歳桃は詐欺の疑いのある
中由に虚勢をはる。
「……堂角田さん、達磨さんのこと聞きました?
ああやって……人のことよくも知らないで
傷つけるんです。」
「…………でも私、詐欺師嫌いなのよねぇ」
と、戻ってくる真栄城くんに手を振り駆け寄る歳桃。
歳桃が立ち去るのをみて中由が静かに舌打ちする様子を堂角田は
見逃さなかった。
「ざっまあねーな」
さっきの、達磨の件で傷心があるのか
少し優しい言い方になっていた。
「皆んな、仲良くしましょう?
私、皆さんと最後まで仲良くいきたいです。」
そう言ったのは小鳥遊 龠だった。
小柄な女性で、 優しそうな面持ち。
「お前、これは 俺と中由の問題だよ。
入ってくんじゃねえ」
それを横目に達磨が、
「なぁ、真栄城くん。
何段だった。」
「......100段だよ。丁度」
「ひゃくぅ!?? 」
驚いて机を叩き椅子から立ち上がる達磨。
「う、うん……」
真栄城が恐る恐る達磨、堂角田を見てから椅子に着席し、気を落ち着かせていた。
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