第1章

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比舎が箱の中身を確認し、 長い階段を降りた後は嘆息していた。 「あんなん僕には辛いわ。」 と、横広いお相撲さん体型の我如古が漏らす。 達磨は目配せして 指示を真栄城にきかせる。 「真栄城くん可愛いなぁ~。 彼女いるのかなぁー」 と、歳桃が言うと、 そこへ中由がくる。 「真栄城くん、かっこいいですよね」 「そうそう…………て、中チャン。どうしたの」 歳桃は詐欺の疑いのある 中由に虚勢をはる。 「……堂角田さん、達磨さんのこと聞きました? ああやって……人のことよくも知らないで 傷つけるんです。」 「…………でも私、詐欺師嫌いなのよねぇ」 と、戻ってくる真栄城くんに手を振り駆け寄る歳桃。 歳桃が立ち去るのをみて中由が静かに舌打ちする様子を堂角田は 見逃さなかった。 「ざっまあねーな」 さっきの、達磨の件で傷心があるのか 少し優しい言い方になっていた。 「皆んな、仲良くしましょう? 私、皆さんと最後まで仲良くいきたいです。」 そう言ったのは小鳥遊 龠だった。 小柄な女性で、 優しそうな面持ち。 「お前、これは 俺と中由の問題だよ。 入ってくんじゃねえ」 それを横目に達磨が、 「なぁ、真栄城くん。 何段だった。」 「......100段だよ。丁度」 「ひゃくぅ!?? 」 驚いて机を叩き椅子から立ち上がる達磨。 「う、うん……」 真栄城が恐る恐る達磨、堂角田を見てから椅子に着席し、気を落ち着かせていた。
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