控え室

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タキシードを着た蓮は本当にカッコよくて、胸がどきどきと騒ぎだす。 「紗羽、すっげえ綺麗」 瞳を細めながらそう言った蓮がこっちに近づいてきた。 タキシード姿なんて見慣れないせいもあり、蓮を見上げると、さらに勢いを増してどくどくと鼓動が走り出す。 「ありがとう。蓮も凄くカッコイイよ」 ほんとに見惚れてしまうくらいにカッコイイ。 「何見つめ合ってんだよ? 俺らがいること、忘れてね?」 なんて、晴希に言われて我に返る。 「あ、晴希も悟も来てくれてありがとう」 「当たり前だろ? 紗羽おめでとう」 そう言う悟に対して晴希は、 「何言ってんだよ。俺、紗羽のことをさらいに来たんだけど」 なんて言い出して。 「はあ? 何言ってんの?」 「さあ、紗羽行こうか?」 と左手を差し出してきた晴希。 相変わらずだな、と笑みがこぼれる。
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