控え室

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四ヶ月前に会ったばかりだけれど、子供って凄く成長するなあ。 蒼太なんて小学生になったからか、凄くお兄ちゃんらしくなった。 だって、 「紗羽ちゃん、おめでとう。紗羽ちゃんのことは蓮くんに譲ることにしたよ」 なんて言い出して。 確かに蒼太の初恋はあたしだって絢華から聞いていた。 蓮と初めて顔を合わせた時の蒼太は、自分があたしと結婚するんだと言って、泣きそうな顔をしていたのに。 「蒼太は相変わらずだな」 蓮が蒼太を見て苦笑い。 そりゃそうか、いくら子供とはいえ、譲ってやったみたいに言われたからね。 「蓮くん、ごめんね」 「あはは、絢華さん、いいよ」 「蓮にとって蒼太が一番のライバルだったりして」 なんて舜くんが笑いながら言っている。 「だな、結構こたえるよ」
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