控え室

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(絢華side) 『紗羽ちゃんのことは蓮くんに譲ることにしたよ』 蒼太はいつの間にかこんなことを言うようになっていた。 小学生になったら、だんだん男の子らしくなって。 母親であるあたしもよくからかわれたりする。 優太にされていたみたいに。 やっぱり優太の血を引いているからかな。 そんなことを考えながらもふと気づく。 「先客が来ていたのに、ペラペラしゃべっちゃってごめんなさい」 周りにいた人たちに謝る。 「いいよ。みんなは大学の時の友達なんだ」 「あ、そうなんだ」 紗羽がその友達を紹介してくれた。 美香と紹介された彼女は身なりも容姿も凄く綺麗で、女のあたしでも思わず見惚れてしまうくらいだった。 「じゃあ、俺らは先に行ってるな」 そう言って三人は出ていった。 「紗羽、すっごく綺麗だね」 「ありがとう。絢華は順調なの?」
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